散歩を午前中にした。歩いていても海を目の前にしてもモヤモヤ考えてしまうことがあって、いつになったら私はこれを手放せるのだろうと思う。もっと動いて人に会ったりしたほうがよいことはわかっているけれど、いまは難しい。空気は暖かすぎるほど暖かい。帰ってきて、来週の仕事の準備をちょこちょこ進めるつもりだったけれど、何もする気が起きない。
夕飯、小豆いり玄米ごはん、梅干し、菜の花とかぶとハムのオリーブオイル炒め、菜の花辛子和え、赤ワイン。
デザートにクランチホワイトチョコレートを食べて、もうすこし赤ワインを飲む。
昨日は最寄りの映画館でヴィム・ヴェンダースの「パーフェクト・デイズ」を観た。すんばらしい映画だった。本と、音楽と、ちょっとした趣味と、銭湯と、行きつけの飲み屋と、好きな人と、お弁当を食べる場所と、木漏れ日。それだけあれば、人間は自由に生きられる。ほんとうにそう思う。もっとこの孤独を愛せるはずだ、と去年のいつか思ったことを、また思った。そして、次に引っ越すときはやっぱり和室のある部屋がいいし、ベッドを手放してお布団にしてみたいと思った。それにしても、ヴェンダースは生まれかわったら公共の仕事がしたいんだろうか。写真の現像屋さんの配役に、にやにやが止まらなかった。