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 朝、いつどこで入手したのかも忘れてしまった、毛玉だらけのルームソックスを出してきてはく。ふだんあまり聴かないラジオをつけたら、〈名演奏ライブラリー〉でサヴァリッシュというドイツの指揮者を紹介していくつかのオペラの序曲を流していて、ちょっとわけあってオペラを学びたくなっている私は、しばらく聴いた。Hからぺろへのクリスマスプレゼントが届いて、それは固い筒状の紙ときらきら光る銀色のはたきのセットと、フリーズドライささみ(大)だった。メリークリスマス!とぺろに言って、しばらく遊んだ。慎重派のぺろは、なかなかその紙のトンネルに入らない。
 昼、小松菜いり味噌ラーメン。ささみのオイル漬けを作る。
 昼過ぎに仕事が一段落したので、イタリア文学研究者の渡辺由利子さんがすこし前に贈ってくださった『ふたりの世界の重なるところ ジネヴラとジョルジョと友人たち』(月曜社)を読んだ。読み始めたら面白くて、三分の一くらい一気読みしてしまった。直近の仕事のために焦って読むのではない、自分のための読書が久しぶりで、うきうきする。
 こういう日には、本を読まないひとは、どんなふうに一日を過ごすのだろう。昼寝をしたり、煙草を吸ったり、お菓子を作ったりするのだろうか。話し相手がいれば、コーヒーやお茶をいれるのかもしれない。出かけていって、誰かに会うのかもしれない。こういう日に、読む本があることは、私をじゅうぶん孤独にしたまま、私をじゅうぶん満たしてしまう。きょうは寒いし、それでいいか、と思う。