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すず、五日目。
宝湯別館を早朝にチェックアウトして、完成したばかりのスズ・シアター・ミュージアム分館へ。午前中いっぱいかけて、採話と連詩ワークショップをした。美術家の南条嘉毅さんの企画で、私は講師役。ゲストに海太郎さんと川村清志先生も来てくださる。三人の語り部さんに協力を募って、民具としてミュージアムに寄贈された瓦型やラジオ、形見のレインコートをその場に置いて、物語りをしてもらった。
お昼は〈若山の庄〉で牛すじカレー(安くて美味しい!)。食べ終えるとすぐ、珠洲焼応援団主催のゴスペルコンサートへ駆けつけた。夕方の飛行機に乗る海太郎さんとここで別れて、私は作家宿舎に入り、あみだ湯までてくてく歩いていった。帰りもてくてく歩いていると、通りかかったK野ちゃんが車に乗せてくれた。珠洲ではこういうことがよく起こる。
夜は〈かつら寿司〉と〈やぶ椿〉、大好きな二軒のお店をはしごして、川村先生の共同研究チームと、昨晩夜中までバラし作業に追われていた制作チームと打ち上げ。私は酔っぱらってしまって、やぶ椿の座敷で壁にもたれてうたたねした。気まぐれに頼んだおろし醤油うどんがとてもおいしくて、でも全部食べきれなくて、みんなに回して食べてもらった。そしてみんなよりすこし早く中座して、ひとりでふらふら宿に戻って眠った(照明の岡野さんが、大崎さんがいつのまにかいなくなってる!と思ったと後になって言っていた)。