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すず、四日目。
朝、見附島まで散歩した。それから、もうすっかり道連れ感の出てきた赤いかわいい車を運転して若山の山道を走り、鈴木泰人さんの展示をみにいった。「音蔵庫」という名前の、とてもいい作品だった。鈴木さんはゆったりと在廊していて、質問するとなんでも丁寧に答えてくれた。同じ小学校の校舎内で展示されていた、さまざまな服の布を使って作られた器の展示も良かった。
お昼は木の浦のcafe coveへ行ってみた(大谷と木の浦はどちらも外浦で近いと思っていたけど、自分で運転してみるとけっこう遠かった)。約束していたわけじゃなかったけれど、今回の作品の取材に協力してくれたY恵ちゃんに会えた。別の席で食べていた女性が、プレトークでみた私の顔を憶えていて、帰り際に声をかけてくださった。こういうことはこれまで海外でしか起こったことがなかったから、とても嬉しかった。ひとりで外浦沿いをドライブして、アレクサンドル・ポノマリョフさんの作品と弓指寛治さんの作品も見た。車はいけない乗りものだと思った。こんなにどこまでも行けてしまって。こんなに人間を甘やかす乗りものがあっていいのか。

公民館に着くと雨が降りだした。悪天候のなか、たくさんのひとが朗読劇を見にきてくださった。大きな時間を行き来する物語を支えてくれた10代の女性たちと、椿の木としてどっしり構えて根付いてくださった常盤貴子さんのパフォーマンスに驚いているうちに、あっというまに終幕になった。潮騒レストランで打ち上げ。お酒を飲んで、帰りは衣装メイクチームに送ってもらった。